新設法人の消費税納税義務の特例
安倍首相が6月1日の記者会見で、消費税率10%への引上げ時期を平成29年4月1日から30ヶ月後の「平成31年10月1日」に再延期することを表明しましたね。
前回の引上げ延期時には、景気判断条項を付すことなく確実に実施すると発言していましたよね。それを翻した今回の引上げ延期の理由について「消費税増税は内需を腰折れさせかねない」ためであるとして、秋の臨時国会で消費税率引上げに係る改正法案を提出、併せて軽減税率も導入することも明言しました。
何はともあれ、一消費者として延期はありがたいです。
新設法人に係る納税義務の免除の特例の取扱いは,次のとおりとなります。
新設法人に係る納税義務の免除の特例
消費税においては,基準期間がない法人のうちその事業年度開始の日における資本金の額が1,000万円以上であるものについては,基準期間がない課税期間については課税事業者とすることとされています。
資本金の額の判定等
その事業年度の基準期間がない新設法人の納税義務免除の特例については,その事業年度開始の日における資本金の額が1,000万円以上か否かの事実関係により納税義務の判定をすることになっています。
設立当初は資本金1,000万円の3月決算(設立日4月1日)で設立され,設立1期目の途中で資本金を500万円に減資し,事業年度についても10月1日から翌年9月30日までに変更しているとなると、それぞれの事業年度の初日は設立1期目は平成N年4月1日,設立2期目は平成N年10月1日となります。
設立1期目の開始の日の資本金の額は1,000万円となることから課税事業者となり、設立2期目については変更後の事業年度の初日(平成N年10月1日)の現況により判定すればよいことになりますから、その資本金の額は500万円となり、この判定基準からすると免税事業者となります。
なお設立2期目までは基準期間がありませんが,設立2期目には前事業年度が生じることから特定期間における課税売上高による納税義務の有無の判定を行う必要があります。しかしながら設立1期目は事業年度が6か月であり、短期事業年度に該当することから特定期間も無いことになります。
したがって平成N年4月1日から9月30日までの設立1期目の課税期間は課税事業者に、平成N年10月1日開始の設立2期目の課税期間は免税事業者に該当することになります。
設立3期目以後の納税義務の判定
設立3期目以後は基準期間及び特定期間が生じることになりますから、基準期間における課税売上高又は特定期間における課税売上高により納税義務の有無の判定を行うことになります。