税務・会計情報

所得拡大促進税制の拡充

政府はデフレ脱却のため、企業に対して賃上げを要請しており、「所得拡大促進税制」や「雇用促進税制」といった制度を創設し税制面から企業をサポートしています。
平成25年10月更新の税務会計情報で「所得拡大促進税制のQ&A」を公開しましたが、今回改正により要件の一部が緩和されましたので確認したいと思います。

1.制度の概要
所得拡大促進税制とは、制度適用初年度の前年度(基準年度)と比較して給与等支給額を増加させていること等の一定の要件を満たした場合に、給与等支給増加額の10%を法人税額(または所得税額)から税額控除ができるというものです。
税額控除の上限は、税額の10%(中小企業者等が税額の20%)です。
なお、同制度は、雇用促進税制といずれか一方の選択適用となります。

2.改正の背景
平成29年4月に延期された消費税率再引き上げに向けて、経済の好循環の定着を力強く後押しするとともに、賃上げに取り組む企業をサポートするため、平成25年度税制改正で創設、26年度税制改正で一部要件が緩和された同制度について、再び見直すこととされました。


3.改正の内容
雇用者給与等支給増加額に係る要件である基準雇用者給与等支給額に対する割合が事業者の区分に応じて、次のように見直されました。
① 中小企業者等は、平成28年4月1日以後に開始する適用年度について3%以上(改正前5%以上)
② 上記①以外の事業者は、平成28年4月1日から平成29年3月31日までの間に開始する適用年度について4%以上(改正前5%以上)


4.適用期日
上記の改正は、中小企業者等は、平成28年4月1日以後に開始する適用年度、それ以外の事業者は、平成28年4月1日から平成29年3月31日までの間に開始する適用年度について適用されます。

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