労働保険の年度更新手続き
6月も下旬に入り、そろそろ「労働保険の年度更新手続き」の期限が近付いてきました。平成26年度の申告・納付期限は、6月2日(電子申請は6月1日)から7月10日までとなります。
今回は、平成26年度の改正点とチェックポイントについて解説致します。
労働保険(労災保険と雇用保険の総称)の保険料は、毎年4月1日から翌年3月31日までの1年間単位として計算します。労働保険料の額は、すべての労働者に支払われる賃金の総額に、その事業ごとに定められた保険料率を乗じて計算します。労働保険では、保険年度ごとに概算で、保険料を申告・納付することになっており、賃金総額が確定した翌年度に精算するという方法がとられています。
事業主は、前年度の保険料を精算するため確定保険料の申告・納付と新年度の概算保険料の申告・納付の手続きが必要となります。
これがいわゆる「労働保険・年度更新」になります。
まず、改正点について確認しましょう。
一般拠出金の額は、保険関係が消滅した日が平成26年4月1日を超えるかどうかで、計算方法が変わってきます。
(1)平成26年4月1日以降も事業を継続する場合(ほとんどこちらに該当)
平成25年度賃金総額×0.02/1000
(2)平成25年度中に事業を廃止した、労働者を使用しなくなった場合等
平成25年度賃金総額×0.05/1000
申告書の印字はすべて、(1)になっていますので、もし保険関係が25年度中に消滅する場合は、修正する必要があります。
そして「事業細目」について若干の見直しがありました。
「その他各種事業」のうち、現行の「医療保健業」を「医療業」と「社会福祉又は介護事業」に分離されました。また、新たに「幼稚園」「保育所」及び「認定こども園」並びに「情報サ-ビス業」を事業の種類の細目として追加されました。
上記の事業を行っている場合は、申告書記入時にご注意ください。
一般的な申告の場合、下記の点も確認しておきましょう。
1.パ-トやアルバイト等の賃金にもれはないか?
2.出向者の賃金に誤りはないか?
出向者を受け入れている場合、労災保険において、出向先は原則として出向元で支払われている賃金も含めて計上します。
3.業務役員がいる場合、役員報酬を除く賃金のみ計上しているか?雇用保険の高年齢免除対象者に誤りはないか?
平成25年度の確定保険料が免除になるのは、平成25年4月1日現在で満64歳以(昭和24年4月1日以前生まれ)の方です。
4.賞与や通勤手当(現物給与も含む)も賃金として計上されているか?
この他、労働保険料を正しく計算するには、かなり細かな作業となります。期日までに申告しない場合、政府が保険料・拠出金の額を決定し、さらに、追徴金(納付すべき保険料・拠出金の10%)を課される場合がありますのでご注意下さい。
労働保険の計算や更新手続きなど、ご不明な点などございましたら、お気軽にお問い合わせ下さい。