改正雇用保険法
平成26年4月1日に改正雇用保険法が施行されました。今回は、この法改正の概要をご紹介します。
今回の改正では、現下の雇用情勢を踏まえ、雇用保険制度において、基本手当、就業促進手当、教育訓練給付金及び育児休業給付金の拡充並びに暫定措置の新設及び延長等の措置を講ずることとされています。
1.育児休業給付の充実(平成26年4月1日施行)
育児休業給付(休業開始前賃金の50%を支給)について、1歳未満の子を養育するための育児休業する場合の育児開始後6月につき、休業開始前の賃金に対する給付割合を67%に引き上げる。
2.教育訓練給付の拡充及び教育訓練支援給付金の創設(平成26年10月1日施行)
(1)教育訓練給付(受講費用の2割を支給、給付上限10万円)を拡充し、中長期的なキャリア形成を支援するため、専門的・実践的な教育訓練として厚生労働大臣が指定する口座を受ける場合に、
・給付を引き上げ(受講費用の4割*)
・資格取得等の上で就職に結びついた場合には受講費用の2割*を追加的に給付する
*1年間の給付額は48万円を上限とする(給付期間は原則2年。資格につながる場合等は最大3年)
対象者は2年以上の被保険者期間を有する者(2回目以降に受ける場合は10年以上の被保険者期間が必要)
(2)教育訓練支援給付金を創設し、45歳未満の離職者が上記の教育訓練を受講する場合に、訓練中に離職前賃金に基づき算出した額(基本手当の半額)を給付する。(平成30年度までの暫定措置)
3.その他
(1)就職促進手当(再就職手当)の拡充(平成26年4月1日施行)
現行の給付(早期再就職した場合に、基本手当の支給残日数の50%~60%相当額を一時金として支給)に加えて、早期再就職した雇用保険受給者が、離職前賃金と比べて再就職後賃金が低下した場合には、6月間職場に定着することを条件に、基本手当の支給残日数の40%を上限として、低下した賃金の6ヶ月分を一時金として追加的に給付する。
(2)平成25年度末までの暫定措置の延長(いずれも3年間の延長)
・解雇、雇い止め等による離職者の所定給付日数を60日間延長する個別延長給付について、要件厳格化の上で延長する。
・雇止め等の離職者(特定理由離職者)について、解雇等の者と同じ給付日数で基本手当を支給する暫定措置を延長する。
注:具体的な内容については法律成立後に省令で定めることになっています。
今回の改正の目玉は、1の育児休業給付金の支給率の引き上げでしょうが、3の(2)の暫定措置の延長は、地味ですが、延長されなければ離職者にとっては影響が大きいと思われます。リ-マンショックによって設けられた暫定措置ですが、これで2度目の暫定措置の延長になります。
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