交際費課税(創設と現行)
既に何度か話題にしています、「交際費課税」について、改めて「創設と現状」を記載します。
今回の担当は、「税理士 中嶋昌啓」です。
ご存知のように「交際費」は、会計上では「費用」なのに、税務上は、原則「損金不算入」になっています。
なんだか、当たり前のようになっている、この「交際費課税」制度、「法人税法」の条文のどこを探しても載っていません(結局同じなのですが、「法人税法上の損金不算入」ではないのです)。
「交際費課税」の創設は「昭和29年(1954年)」に期限立法として「租税特別措置法」に創設されました。
創設の趣旨は、「法人の資本蓄積を促進し、資本構成の是正を図るため・・・(中略)・・・企業は自らの努力によってその目的達成に努めなければならないのであって、法人の支出面においても、できるだけ冗費を節約する必要がある。現在法人が支出している交際費等を見ると、そのうちには、法人の営業の遂行上やむを得ないと認められるものもかなりあるが、また、反面においては浪費的支出も少なくなく、節約可能なものもかなりあり得ると考えられる。」と述べられています。
また、総括的に「あくまでも法人の資本蓄積を促進するための臨時的な措置とし、昭和29年4月1日以降開始する事業年度から3年間に限って適用する」とされており、法人税法ではなく、租税特別措置法に定められましたが、毎回2年前後の特別措置が内容こそ変わってきているものの、今日に至るまで継続されています。
それでは、最後に現行の概要を記載します。
1 平成25年4月1日から平成26年3月31日までの間に開始する事業年度
(通常の1年決算の場合、この3月決算から該当します)
① 大企業(資本金1億円超の法人等)
「全額損金不算入」
② 中小法人(資本金1億円以下の法人等)
「800万円以下の金額は損金算入(800万円超の金額は損金不算入)」
2 平成26年4月1日から平成28年3月31日までの間に開始する事業年度
① 大法人(資本金1億円超の法人等)
現行・・・全額損金不算入
改正・・・飲食のために支出する費用の額(社内交際費は含みません)のうち50%は損金算入
② 中小法人(資本金1億円以下の法人等)
現行・・・800万円以下の金額の全額損金算入
改正・・・現行と「上記①の改正」との選択適用
【関連リンク】 交際費等の範囲と定額控除限度額はこちら