産前産後休業期間中の保険料免除
社会保障改革の二回目を解説する予定でしたが、4月から新しい制度が始まりますので、先にご説明したいと思います。社会保険料については、以前から育児休業期間中の免除制度は存在しましたが、産休中の取り扱いに関する法律規定が未整備でした。
平成26年4月から「産前産後休業期間中の保険料免除が始まります」
改正内容
①産休期間中の保険料免除(日本年金機構パンフレット表面参照)
育児休業と同様、事業主の申し出に基づき、産休開始日の属する月から産休終了日の翌日の属する月の前月までの保険料が免除されます。
A.産前産後休業終了日が、平成26年4月30日以降の被保険者が対象。
4月30日の翌日が5月1日となり、その属する月(5月)の前月(4月)までの
保険料が免除となります。(施行日が26年4月1日であり、26年4月分以降の
期間が免除対象となります)
B.出産日が、平成26年3月5日以降の被保険者が対象。
*産前が1月23日から3月5日の42日間、産後が3月6日から4月30日の56日間。
育児休業と重複する場合には、産休期間免除が優先する。
*施行日前に産休を開始した場合は、施行日に産休を開始したとみなして、施行日
以後免除対象となります。
②産休終了時の改定(日本年金機構パンフレット表面参照)
産前産後休業終了日が、平成26年4月1日以降の被保険者が対象。
*産休終了日の翌日の属する月以後3ヶ月間の平均を報酬月額として改定します。
(1等級以上の差でも改定。育児休業と同様です)
*産休終了後に引き続き育休に入る場合は、改定は行われません。
手続き等のポイント
①保険料免除期間
*産休開始日の属する月から産休終了日の翌日の属する月の前月までの保険料が免除
されます。(健康保険、厚生年金)
②申出書は、産休期間中に提出することが原則(パンフレット裏面参照)
*出産日前に申出書を提出する場合、出産日が予定日より前後した時は、出産後に
「変更届」の提出が必要となります。(届出を2回提出する必要があります)
*出産日後に申出書を提出する場合、免除が遡及の扱いとなります。(産前が42日間
であり1ヶ月を超えるため。申出書の提出までは保険料賦課されます。届出の提出
は1回のみです)
③産休を予定より前に終了する場合(パンフレット裏面参照)
*終了届の提出が必要となります。(労働基準法では産後8週間を経過しない女性は就業させてはなりません。ただし、6週間を経過した女性が請求した場合で、医師が支障がないと認めたときには業務に就かせることができるからです)
④育休から引き続き産休を開始した場合は「育児休業取得終了届出」は提出不要です。
⑤添付書類は不要です。
免除を受けるためには、事業主が従業員の手続きをしなくてはいけません。企業内で社会保険の手続きをされている方は、お気を付け下さい。初めての手続きでご不明な点等ございましたら「社労士の大城」までお気軽にご相談下さい。
【関連リンク】 日本年金機構パンフレットはこちら