課税と担税力
参議院選挙が終わり、衆参のねじれが解消されました。
これから自民党主導で様々な政策が決定され活力ある経済が早急にとり戻されることが望まれます。
そんな中、消費税の増税がこの9月、10月を目途に決定されることになっております。
課税=租税の支払い能力がある=担税力という理屈がよく言われますが、課税されるものもしくは増税されるものにそれだけの担税力があるのかは疑問の残るところです。
内閣府の公表資料に下記のようなものがあります。
個人の所得は、消費や貯蓄などに向けられる支払能力の源となるものです。この所得に 租税の負担能力(担税力)を見出して課税するものが個人所得課税であり、所得税・個人住民税があります。また、法人の事業活動等から生じる所得に課税する法人税・法人住民税などの法人所得課税があります。
財・サービスの消費が所得を得たり資産を取り崩したりすることにより得られる経済力の行使であることに着目し、財・サービスの消費に担税力を見出して負担を求めるのが消費課税です。消費税・地方消費税、酒税、たばこ税、揮発油税などがあります。
さらに、資産を取得したり保有したりしている場合、所得の稼得や財・サービスの消費に着目した場合には捉えきれない担税力に着目し、資産に対しても課税が行われます。無償で資産を取得した場合に課税を行うものとして相続税など、資産を保有している場合に課税を行うものとして固定資産税、都市計画税などがあります。このほか、資産が移転するときなどに課される登録免許税、不動産取得税などがあります。
上記のように、基本的には、課税=担税力と理解されているのです。所得税、法人税、相続税及び贈与税はその通りなのでしょうが、消費課税と担税力、登録免許税と担税力って相当こじつけがあるような気がします。
消費課税のうち、たばこ税や酒税などは課税対象が嗜好品であるため、担税力があることは否定できないかもしれませんが、生活必需品にも課税されている消費税が、担税力を根拠として負担を求めるのが適切なのかどうか。
さらに、登録免許税などは、行政の手数料のような徴収ですし、そもそもその発祥は日清戦争時の戦費調達のための税金だったわけです。その当時に担税力が考慮されていたかどうか。印紙税も然りでしょうか。
時代が変化すると課税の仕方も変化して当然だと思います。時代に合う課税を明確な根拠、明確な使途で行ってほしいものです。