住宅事情
住宅を取り巻く事情は人口構造の変化とともに大きく動いています。いわゆる団塊の世代が取得し始めた昭和40年代後半の190万戸をピークに、バブル期の平成2年の170万戸、その後少子化、不況とともに減少し続け、平成21年78万戸となり、100万戸割れが続いております。
人生で最も大きな消費の為、住宅ローン控除や住宅資金贈与の非課税など多くの税制も住宅取得を支援していることは事実です。残りわずかとなりましたが平成26年中の住宅資金贈与は、一般住宅の場合500万円、省エネ等住宅の場合1,000万円となっていました。この適用は今のところ平成26年12月31日で終了することになっています。
先日各省庁からの改正要望が出そろいましたが、国土交通省から、住宅取得資金の贈与非課税を延長するとともに、その非課税枠を最大3,000万円まで拡大するという要望が出されています。住宅着工数が低迷を続ける中、人口構造、消費税率及び景気低迷による給与の減少等買わないもしくは買えない事情を挙げればきりがありません。このまま税制改正が行われるかは定かではありませんが、改正されれば住宅着工数が増加するのは間違いのないところでしょう。
さらに、平成27年1月から相続税が改正され、課税されるすそ野が拡大する予定ですが、住宅資金を贈与することにより相続税を節税することも可能かもしれません。一般に、相続などにより財産を取得した人が、被相続人からその相続開始前3年以内に贈与を受けた財産があるときには、その人の相続税の課税価格に贈与を受けた財産の贈与の時の価額を加算しますこととなっています。
但し、現在、加算しない贈与財産の範囲として、直系尊属から贈与を受けた住宅取得等資金のうち、非課税の適用を受けた金額が設定されているため、住宅取得資金の贈与については相続税が課税されていません。
どのような改正が行われるかはまだわかりませんが、非課税枠が拡大されれば大きな注目を集めそうです。
【関連リンク】 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税はこちら