税務・会計情報

土地の評価 と 相続税

 来年1月1日から相続税が増税となります。基礎控除と呼ばれる非課税枠が4割減るからです。
 数年前から「現行税制ですと納税額はこのくらい、平成27年からはこうなります」というご案内をしておりましたが、その比較対象だった「平成27年」に3か月後には突入してしまう、この恐ろしさ。まさか「納税額はこうなります。ちょっと前ならこの程度だったのですが…」なんて言えません。そのくらい差は大きいのです。


 具体的な想定です。
* 土地50坪(165㎡)の一軒家
* 2,000万円強の預貯金
* その他の資産200万円弱
* 配偶者無し、子供3人(既に独立)
 上記のケースの場合で税負担が生じるのは首都圏の中心部だけでしたが、27年以降は税負担を強いられるケースが大幅に増えます。
 上記ケースですと現在は路線価がおよそ30万円以下の地域までは相続税はかかりませんが、27年以降は路線価12万5千円以上の地域まで税負担が生じます(配偶者の税額軽減無・小規模宅地等の減額無)。
 納税をするケースはこれまでの2倍と言われております。「うちには財産なんてない。自宅と若干の預金だけ。」でも納税を心配しなければいけない時代の到来です。


 相続税申告については財産の評価が最も重要となります。
 相続財産の中でも主要となるのが土地です。土地の評価については「知ってて得する」情報がいくつもありますのでご紹介します。

・ 電車の騒音がある・・・10%評価減
・ 近隣に比べて広い・・・最大35%評価減
・ 形がいびつ(正方形・長方形ではない)・・・最大40%評価減
・ 間口が狭い・・・最大20%評価減
・ 墓地に隣接している・・・10%評価減
・ 道路との高低差がある・・・10%評価減
・ 埋蔵財産がある・・・10%評価減
・ 地盤に甚だしい凹凸のある・・・10%評価減
・ 日照阻害(建築基準法第56条の2に定める日影時間を超える時間の日照阻害のあるもの)・・・10%評価減
・ 臭気がある・・・10%評価減
・ セットバック・・・70%減額

 いずれも所有者のみがわかる状況であり、税理士等に試算を依頼したとしても考慮されない可能性があります。
 弊事務所では実際の申告の際は物件全てを確認しておりますが、試算の段階ではお教え頂かないとわからないことばかりです。現地確認しても臭気・セットバック・日照阻害・埋蔵財産についてはお教え頂かなければ評価減をしないこともあろうかと存じます。
 所有地の現状把握は十分にお願いしたいところです。

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