給与所得控除額の上限の引下げ
税理士事務所の繁忙期(年末調整 ⇒ 法定調書 ⇒ 確定申告 ⇒ 3月決算法人申告)が終わりました。
とはいえ、税理士事務所の職員の皆様は、通常業務が山積みになっているのではないでしょうか?
今回は、繁忙期の書類の整理に追われそうな、「税理士 中嶋昌啓」が担当いたします。
年初に、本年度の「税制改正大綱」の概要等を記載しましたが、その中から、「給与所得控除額の上限の引下げ」について、どのくらい増税になるか、金額例等を記載いたします。
なお、増税の対象になる方は、年間(暦年)の給与収入が、1,000万円以上の方になります。
○改正年分と内容
対象年分 対象収入金額 上限額(給与所得控除額)
平成24年分まで なし なし
平成25年分から
平成27年分まで 1,500万円以上 245万円
平成28年分 1,200万円以上 230万円
平成29年分から 1,000万円以上 220万円
今年(平成25年分)の確定申告書を見て、給与収入が1,500万円超の方で、「あれっ?今年の所得税額、多いんじゃないの?」の感じた方がいると思います。
平成24年分と給与収入、所得控除額が同じでも、①所得税については、給与所得控除額の上限が設けられ、②復興特別所得税が創設されたことにより、所得税額等が増加しています。
「例1」給与収入2,000万円 所得控除額200万円 源泉所得税0円
給与所得控除額 所得税額 復興特別所得税額
平成24年分 2,700,000円 4,173,000円 なし
平成25年分から
平成27年分まで 2,450,000円 4,255,500円 89,300円
平成28年分 2,300,000円 4,305,000円 90,400円
平成29年分 2,200,000円 4,338,000円 91,000円
「例2」給与収入3,000万円 所得控除額200万円 源泉所得税0円
給与所得控除額 所得税額 復興特別所得税額
平成24年分 3,200,000円 7,924,000円 なし
平成25年分から
平成27年分まで 2,450,000円 8,224,000円 172,700円
平成28年分 2,300,000円 8,284,000円 173,900円
平成29年分 2,200,000円 8,324,000円 174,800円
※このほかに、住民税も同様に増税になります。
※給与所得控除の上限の引下げに伴い、給与所得の源泉徴収税額表(月額表、日額表)等が見直され、増税の対象の方は、月々の源泉徴収税額が増加します。
【関連リンク】 平成26年度税制改正パンフレットはこちら