税制改正大綱Ⅱ
新年あけましておめでとうございます。
今回の担当は、「税理士 中嶋昌啓」です。
本年もよろしくお願いいたします。
先々週に「山田税理士」が掲載しました「税制改正大綱概要」に引き続き、昨年12月に発表されました、「平成26年度税制改正大綱」関係について記載いたします。
「平成26年度税制改正大綱」は、「税制改正(案)」として、今月末に招集される「通常国会」に上程、審議され3月中には成立する見込みですが、内容を見ると、例年以上に来年以降実施されるものが多いように思われます。
今回は、主な改正内容について「時系列」に記載いたします。
1 法人税(交際費の損金不算入制度の改正)
・・・26年4月1日から28年3月31日までの間に開始する事業年度
① 大法人(資本金1億円超の法人等)
現行・・・全額損金不算入
改正・・・飲食のために支出する費用の額(社内交際費は含みません)のうち50%を損金の額に算入する
② 中小法人(資本金1億円以下の法人等)
現行・・・800万円以下の金額の全額損金算入
改正・・・現行と「上記①の改正」との選択適用
2 地方法人課税(偏在是正)
・・・26年10月1日以後に開始する事業年度
① 法人住民税法人税割の税率の改正
現 行 改 正
道府県民税法人税割(標準税率) 5.0% 3.2%
市町村民税法人税割(標準税率) 12.3% 9.7%
地方法人税(仮称、標準税率) - 4.4%(国税)
② 法人事業税、地方法人特別税の税率の改正
現 行 改 正
法人事業税(中小法人、標準税率) 2.7% 3.4%
地方法人特別税(所得割額) 81.0% 43.2%
(「付加価値割額、資本割額及び所得割額の合算額」、「収入割額」によって法人事業税を課税される法人についても、改正があります)
※ 上記、法人事業税の税率は、中小法人の「年400万円以下の所得」に対するものです
※ 上記、地方法人特別税の税率は、「法人事業税額」に対するものです
3 消費税(簡易課税制度の見直し)
・・・27年4月1日以後に開始する課税期間
① 金融業及び保険業
現行・・・第4種事業(みなし仕入率 60%)
改正・・・第5種事業(みなし仕入率 50%)
② 不動産業
現行・・・第5種事業(みなし仕入率 50%)
改正・・・第6種事業(みなし仕入率 40%)・・・新設
4 復興特別法人税(課税期間の終了)
・・・課税期間を1年前倒しして終了(3年 ⇒ 2年)
現行・・・指定期間内に最初に開始する事業年度開始の日から3年を経過する日まで
(指定期間・・・24年4月1日から27年3月31日までの期間)
改正・・・指定期間内に最初に開始する事業年度開始の日から2年を経過する日まで
(指定期間・・・24年4月1日から26年3月31日までの期間)
※ 復興特別法人税の課税期間の終了後、利子及び配当等に課される「復興特別所得税」は、利子及び配当等に課される「所得税」と併せて、「法人税」の額から控除する
5 所得税(給与所得控除の上限の引下げ)
・・・28年分及び29年分から
平成24年分まで・・・給与収入1,000万円を超える部分の金額に対しては、5%の給与所得控除額有り(上限なし)
平成25年分・・・給与収入1,500万円を超える場合の給与所得控除額については245万円が上限
<今回の改正>
平成28年分・・・給与収入1,200万円を超える場合の給与所得控除額については230万円が上限
平成29年分・・・給与収入1,000万円を超える場合の給与所得控除額については220万円が上限
6 消費税(軽減税率制度)
・・・時期未定(26年12月までに結論を得て、与党税制改正大綱を決定する)
軽減税率の導入・・・消費税率10%時(導入時又は導入後かは未定)に導入予定
【関連リンク】 平成26 年度税制改正の大綱(閣議決定)はこちら