税務・会計情報

就業規則について

 人間ドックで血糖値が高いことを医師から指摘され、これから年末に向けての宴席は控えめにしようと決心した「社労士の大城」です。
 先日行った当事務所主催のセミナ-にて、お客様よりご相談が多かった就業規則について改めてご説明したいと思います。

 就業規則作成の大原則

 常時10人以上の労働者を使用する事業場では必ず就業規則を作成しなければなりません。また、労働者が10人未満であっても、就業規則を作成することが望まれます。
(労働基準法第89条)
 
 事業場で働く労働者の数が、時として10人未満になることがあっても常態として10人以上であれば、事業主は必ず就業規則を作成しなければなりません。この場合の「労働者」には、いわゆる正規社員のほか、パ-トタイム労働者や臨時のアルバイト等すべての者を含みます。なお、事業場の労働者が常態として10人未満である場合には、労働基準法上は就業規則を作成しなくても差し支えないこととされていますが、労働条件や職場で守るべき規律などをめぐる事業主と労働者との間の無用な争いごとを未然に防ぎ、明るい職場づくりに寄与するという就業規則の役割から考えて、就業規則は是非とも作成しておきたいものです。

正規社員10名 義務有り

正規社員7名 パ-ト、アルバイト3名 義務有り

正規社員2名 パ-ト、アルバイト8名 義務有り

 就業規則がないという事は「会社としての基準が存在しない」という事を意味しています。具体的には、どんなトラブルが予想されるでしょう?

 1.定年の問題について
 定年の定めがないという事は、雇用期間が無期限に発生するという事を意味します。現実的には不可能な話ですね。しかし、現実的か現実的でないかという以前にル-ルを決めていない事が問題なのです。

 2.休憩・休日や残業代の問題について
 休憩時間の扱いは労働問題でよくトラブルになります。原則、休憩時間は自由時間でなければなりません。そこに拘束時間があった場合の扱いはどうしますか?また休日をローテ-ションでとる場合はル-ル作りが必要です。「残業時間の単価計算根拠」や「どの場合を残業時間にするか」のル-ルが明確になされている場合とそうでない場合は、後にトラブルが発生した際に必ず争点になります。

 3.服装について
 従業員の社内での行動規範を決めておく事は風紀上あるいは対外的にも非常に重要な事です。もし、従業員の素行について注意した時に「どういう基準で判断しているのか」という目安が必要になります。学校にも校則があるように会社にも当然、規則は必要です。
 
 4.懲戒について
 従業員に何らかの罰を与える必要があった時に、規則なしで罰を与える事は原則できません。これは、事実上可能かどうかの話ではなく、規則なしに罰則を権限者の裁量で判断した場合は争議になった場合、無効とされる可能性が極めて高いという事です。こうなれば会社が傷つく事になります。

 就業規則の必要性の理由は「備えあれば憂いなし」という事なのです。

 これらの問題は就業規則があれば、必ずしも解決する事ではありません。しかし、企業実態にあった就業規則が存在して、初めて様々なトラブルを未然に防ぐ事ができるのです。

 今一度、検討されてはいかがでしょう?
 就業規則は企業実態に合致して初めて、その意味があるのです。

 就業規則の診断については、お気軽にご相談下さい。

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