「復興特別所得税」の創設
ホームページを公開いたしました。
今回から、所属税理士、社会保険労務士が担当して、税務・会計・労務のタイムリーなテーマを中心に、ご説明等させていただきます。
栄えある?、第一回目は「税理士 中嶋昌啓」が担当いたします。
「復興特別所得税」の創設
東日本大震災からの復興に必要な財源確保のため、「復興特別所得税」及び「復興特別法人税」が創設されました。
今回は、「復興特別所得税」について問答式でご説明します。
【概要】
〈Q1〉「復興特別所得税」は、どのような人が対象になるのですか。
〈A〉 所得税額が基準になりますので、所得税を納める人(個人、法人)が対象になります。
〈Q2〉「復興特別所得税」はいつから納めることになりますか。
〈A〉 平成25年分からになります。
なお、「復興特別所得税」は、平成49年分まで続きます。
〈Q3〉「復興特別所得税」は、どのように集められるのですか。
〈A〉 所得税額に上乗せする形で、所得税と併せて復興特別所得税を納めることになります
〈Q4〉税率は何%ですか。
〈A〉 「基準所得税額(全ての所得に対する所得税額)」の2.1%が復興特別所得税の税額になります。
なお、非永住者及び非居住者の基準所得税額は次のとおりです。
非永住者・・・国内源泉所得及び国外源泉所得のうち国内払のもの又は国内に送金されたものに対する所得税額
非居住者・・・国内源泉所得に対する所得税額
【手続等】
〈Q5〉確定申告はどのようになりますか。
〈A〉 「所得税申告書」が「所得税及び復興特別所得税申告書」になり、1つの申告書に所得税及び復興特別所得税の内容を記載することになります。
〈Q6〉給与の源泉徴収はどのようになりますか。
〈A〉 平成25年1月支給分から所得税に上乗せする形で復興特別所得税を徴収して納付することになります。
なお、平成25年1月支給分から適用される「給与所得の源泉徴収税額表(平成25年分)」の税額は、復興特別所得税が含まれた金額になっています。
〈Q7〉年末調整はどのようになりますか。
〈A〉 源泉徴収簿の年末調整欄に復興特別所得税を計算する欄が追加され、所得税と復興特別所得税の合計額が年調年税額になります。
〈Q8〉給与以外の源泉徴収はどうなりますか?
〈A〉 源泉徴収する所得税の税額に102.1%を乗じた金額(1円未満の端数切捨て)が
源泉徴収税額(所得税及び復興特別所得税額)になります。
具体例
[税理士、弁護士等の報酬に対する源泉徴収]
報酬額が100,000円の場合
100,000円×10%×102.1%=10,210円(源泉徴収税額)
[預貯金の利子等に対する源泉徴収]
利子等の額が100,000円の場合
100,000円×15%×102.1%=15,315円(源泉徴収税額)
(このほかに、利子割(都道府県民税)5%が源泉徴収されます。)
[上場株式等の配当金に対する源泉徴収]
配当金の額が100,000円の場合
100,000円×7%×102.1%=7,147円(源泉徴収税額)
(このほかに、個人が受取る場合は、配当割(都道府県民税)3%が源泉徴収されます。)
〈Q9〉法人の場合、利子、配当金等を受取る際に源泉徴収された、所得税と復興特別所得税の額を分ける必要はありますか。
〈A〉 分けなければなりません。
復興特別所得税は、法人税額から控除することができません。復興特別所得税と同じく創設された復興特別法人税から控除することになるからです。
復興特別法人税額がない場合は、復興特別法人税の申告書を提出する義務はありませんが、復興特別所得税の還付を受けるには、復興特別法人税の申告書
を提出することになります。
〈Q10〉「復興特別所得税」について、詳しい説明書はありますか。
〈A〉 国税庁のホームページの「パンフレット・手引き」に、「個人の方に係る復興特別所得税のあらまし」、「復興特別所得税関係(源泉徴収関係)」がありますので参
考にしてください。
【関連リンク】 国税庁HP 「パンフレット・手引き」 はこちら