遺言書の作成
先週16日から確定申告期に突入し、会計事務所にとっては慌ただしい時期の一つとなっております。相続税への関心の高まりの中、贈与税に様々な制度が導入された結果、贈与税の納税はなくても申告すべき人が増えました。また、ネットの普及等により株式売買をされる方も以前より増えていると思いますので、確定申告をしなければならない方は増加しているものと思われます。私たちは、事業者のみならず、確定申告をしなければならない、もしくはした方が有利な一般の個人の方の申告も行っておりますので、疑問点等がございましたらご相談いただければと思います。相談業務は初回のみ無料で行っていますので、是非ご活用ください。
さて、1月より相続税改正が行われ、今後相続が発生した場合に申告しなければならない方の割合は高まっています。そうした中、昨年から遺言書の作成を依頼されることがかなり多くなりました。「遺言書」と聞くと弁護士の業務と思われるかもしれませんが、財産の分配は数字をベースに行いますので、どちらかというと我々税理士の方が業務として行いやすい気もします。今回は、遺言書の種類及びその効果等について触れたいと思います。
【遺言書の種類】
・自筆証書遺言・・遺言者が、紙に、自ら、遺言の内容の全文を書き、かつ、日付、氏名を書いて、署名の下に押印することにより作成する遺言です。(すべてが手書きとなります。)
メリット・・・作成費用が掛からない。
デメリット・・不備があった場合に無効となる。
・公正証書遺言・・遺言者が、公証人の面前で、遺言の内容を口述し、それに基づいて、公証人が、遺言者の真意を正確に文章にまとめ、公正証書遺言として作成する遺言です。
メリット・・・不備があり無効となることがない。
原本が公証人役場に保管されるため、遺言の内容が速やかに、確実に実行される。
デメリット・・作成費用が掛かる。
・秘密証書遺言・・遺言者が、遺言の内容を記載した書面(自書でなくても可)に署名押印をした上でこれを封じ、公証人及び証人2人の前にその封書を提出し作成される遺言です。
メリット・・・遺言の内容を誰にも明らかにする必要がない。
デメリット・・公証人は内容を確認していないので、不備があった場合は無効となる。
【遺言の効果】
遺言者自らが、自分の残した財産の帰属を決め、相続を巡る争いを防止しようとすることができます。民法は、法定相続分を抽象的に定めているだけなので、遺産の帰属を具体的に決めるためには、相続人全員で遺産分割の協議をして決める必要があります。しかし、遺産の内容によっては、その分割協議が不調に終わることも予想されますので、家族関係にあった分割内容をあらかじめ指定しておくことは効果的です。
また、遺言者の状況によっては、例えば、子供がいない場合や離婚後再婚している場合等、特に必要とされることがあります。
亡くなる方にとって、残された家族が財産争いをすることは一番望まないことかもしれませんが、家庭裁判所に持ち込まれる相談件数のトップは相続に関係することです。遺言書の撤回、書き換えはいつでもできますので、今の状況を考慮し、遺言書を作成してみてはいかがでしょうか。
【関連リンク】 日本公証人連合会 はこちら