税務・会計情報

住宅資金の贈与(贈与税の非課税措置)

 いよいよ本格的にスタートしました、平成26年分の確定申告(所得税、消費税、贈与税)!!!
 個人事業者等の方々も、「1年って早いな~」と感じる時期ではないでしょうか?

 この「税務・会計情報」、以前も記載しましたが、事務所の税理士・社会保険労務士5人が輪番で記載していますが、税務関係につきましては、平成27年1月1日から改正(増税)になりました、「相続税(贈与税)」のテーマが多くなっています。

 今回も贈与関係の、「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税措置等」につきまして、「税理士 中嶋昌啓」が記載いたします。

 平成21年に「租税特別措置法」に制定されたこの制度、その後2回の改正(延長)が行われましたが、平成26年12月31日が期限となっていました(国税庁のホームページのタックスアンサーも、法案(後述)が成立(その後改定)するまでは、「平成26年12月31日まで」となっています。)。

 平成27年度税制改正の大綱(平成27年1月14日 閣議決定)で「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税措置について、次の措置を講じた上、その適用期限を平成31年6月30日まで延長する。」とされ、現在行われている通常国会で審議され、3月下旬には可決成立する見込みです。

 それでは、まず改正後の内容につきまして、原文のまま記載いたします。

直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税措置等の見直し
(1) 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税措置について、次の措置を講じた上、その適用期限を平成31年6月30日まで延長する。

① 非課税限度額を次のとおりとする。

イ 住宅用家屋の取得等に係る対価の額又は費用の額に含まれる消費税等の税率が10%である場合

住宅用家屋の取得等に係る契約の締結期間   良質な住宅用家屋   左記以外の住宅用家屋
平成28年10月~平成29年9月            3,000万円          2,500万円
平成29年10月~平成30年9月            1,500万円          1,000万円
平成30年10月~平成31年6月            1,200万円           700万円


ロ 上記イ以外の場合

住宅用家屋の取得等に係る契約の締結期間    良質な住宅用家屋   左記以外の住宅用家屋
~平成27年12月                      1,500万円         1,000万円
平成28年1月~平成29年9月              1,200万円          700万円 
平成29年10月~平成30年9月              1,000万円          500万円
平成30年10月~平成31年6月               800万円          300万円
  

(注)上記の「良質な住宅用家屋」とは、省エネルギー対策等級4(平成27年4月以降は断熱等性能等級4)又は耐震等級2以上若しくは免震建築物に該当する住宅用家屋をいう。下記(3)において同じ。

② 上記①の良質な住宅用家屋の範囲に、一次エネルギー消費量等級4以上に該当する住宅用家屋及び高齢者等配慮対策等級3以上に該当する住宅用家屋を加える。

③ 適用対象となる増改築等の範囲に、一定の省エネ改修工事、バリアフリー改修工事及び給排水管又は雨水の浸入を防止する部分に係る工事を加える。

(注)平成28年9月以前に契約を締結した住宅用家屋について上記 ロに掲げる非課税限度額の適用を受けた者であっても、上記 イに掲げる非課税限度額を適用できることとする。


【解説等】

1 消費税の適用税率の関係で、限度額が「イ住宅用家屋の取得等に係る対価の額又は費用の額に含まれる消費税等の税率が10%である場合」と「ロ 上記イ以外の場合」の2表ありますが、該当する表を適用してください。

2 「良質な住宅用家屋」に該当するか否かは、「建築業者等」に確認してください。

3 「ロ 上記イ以外の場合」の適用を受ける場合で、過去に「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税の特例」の適用を受けている場合、この非課税の特例の適用を受けることはできない場合、または、限度額が少額になる場合がありますので、注意してください。(法案が審議中のため、今現在、詳細が不明です。)

4 非課税の特例の適用を受けるためには、贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までの間に、非課税の特例の適用を受ける旨を記載した「贈与税の申告書」に計算明細書、戸籍の謄本、住民票の写し、登記事項証明書、新築や取得の契約書の写しなど一定の書類を添付して、納税地の所轄税務署に提出する必要があります。



▲PAGETOP