「非中小法人」の税法の特例措置不適用について
毎回、冒頭で「暑い」とか「異常気象」と天候について一言(愚痴?)書かせていただいておりますが、言葉の表現とはいえ「今までに経験したことのない大雨」とか言われても、「何?」と思ってしまいます。
また、朝のワイドショーでは、ある司会者が、今年のさまざまな異常気象は「天変地異」ではないか(表現が合ってるかは不明ですが)と言っていました。
自然災害は、現状では防げないものもありますが、災害が起きた場合の備え等については心掛けたいものです。
前置きが長くなりましたが、今回は「税理士 中嶋昌啓」が記載いたします。
まず、表題にあります「非中小法人」ですが、「資本金の額又は出資金の額が1 億円以下である普通法人(中小法人)」で、次のいずれかに該当する法人をいいます。
これらの法人(非中小法人)は、中小企業向けの特例措置の一部の適用を受けることができません。
(1) 次のいずれかの法人(以下「大法人」といいます。)との間に、これらの大法人による完全支配関係がある法人
① 資本金の額又は出資金の額が5億円以上である法人
② 法人税法第4条の7((受託法人等に関するこの法律の適用))に規定する受託法人
③ 相互会社(外国相互会社を含みます。)
(2)当該普通法人との間に完全支配関係がある全ての「大法人」が有する株式及び出資の全部をいずれか一の大法人が有するものとみなしたときにその一の大法人による完全支配関係があることとなる法人
では、どのような適用が受けられないかは、次のとおりです。
(1) 貸倒引当金の繰入れ
銀行、保険会社又は金融に関する取引に関する金銭債権を有する法人など、一定の法人を除き貸倒引当金を繰り入れることができなくなりました。
なお、この改正に伴い、平成24年4月1日から平成27年3月31日の間に開始する事業年度について一定の経過措置が設けられています。
(2) 欠損金等の控除限度額の縮減の不適用
青色申告書を提出した事業年度の欠損金及び災害による損失金の繰越控除制度における控除限度額は、繰越控除をする事業年度の控除前所得の金額の100分の80相当額となります。
(3) 軽減税率
普通法人の各事業年度の所得の金額のうち、年800万円以下の金額に対する法人税の軽減税率の適用はなく、一律25.5%(注1)となります。
(注1)平成21年4月1日から平成24年3月31日までの間に開始する各事業年度においては30%、平成24年4月1日から平成27年3月31日までの間に開始する各事業年度においては25.5%の税率となります。
(4) 特定同族会社の特別税率(留保金課税)の不適用
留保金課税が適用されることとなります。
(5) 貸倒引当金の法定繰入率の選択
一括評価金銭債権の貸倒引当金の繰入限度額の計算において、法定繰入率の選択は行えず、貸倒実績率により計算することとなります。
(6) 交際費等の損金不算入制度における定額控除制度
定額控除制度の適用はできず、支出する交際費等の額の全額が損金不算入となります。
(7) 欠損金の繰戻しによる還付制度
解散、事業の全部の譲渡など一定の事実が生じた場合の欠損金を除き、この制度による還付の請求は行えません。